コレジオ12回<スラブ鑑定用語の解説①>

今更だれにも聞けない「スラブ鑑定用語の解説」

Collegio学林は聖職者のための高等教育機関「大神大学」に習いコイン聖職者育成のため開校した。

 

NGC社やPCGS社などの樹脂製のケースに封入した鑑定済み品を「スラブ」入りコインと呼んでいます。
第三者鑑定機関の両社は共にアメリカフロリダ州に拠点を構えています。
現在この「スラブ入のコイン」の普及は世界のスタンダードとして定着し更に現代の時代の要請として着実に支持を広げています。
これまでやや慎重な姿勢であったヨーロッパのコイン世界でも日に日にその信頼性が支持されて来ていて「昨年からスラブ入りコインが占める割合が激増中」です。
さて、そこで今回は「今更だれにも聞けないスラブには何が鑑定されているのか?」スラブ鑑定用語の基礎知識を開講します!
ここでしっかりと鑑定用語の基本と鑑定システムの把握をすることが深くコインを理解する近道に成るので熟読下さい!
ここではNGC社の鑑定例を見て行きましょう。
NGC社はアメリカ国立博物館として有名なスミソニアン博物館と共同で開発したコイン保存に最適な特殊な樹脂製のスラブホルダーでコインを封入して保護しています。
この状態ではコインは封入されているので樹脂を破壊する以外に中のコインを外に取り出す事は出来ません。
大変機能的で保管に便利な上コインの保護にも理想的な形状を持っています。
コインの取扱中には細心の注意を払うのですが、それでも稀にはコインを落としたり硬い床に落下させてしまう事故は発生します。
この時にスラブ入のコインは落下事故に於いてもスラブ樹脂は大変すぐれた働きをして中の大事なコインを保護します!からその安心感も桁違いです!
さて、その優れたスラブ鑑定には何が書いて有るのでしょうか?
基本的に鑑定されていることはスラブチケットに要約されます。
最上段は(赤い◎印の行)コインの「発行年号」と発行「国名」それにコインの「額面」です。
写真で例示した3個のコインを見て行きましょう!
左のコインと中のコインは同じ年号1908年のオーストリア発行の100C (100Corona金貨)で有る事が解ります。
右のコインは1640年ドイツ 5Dと省略= ( 5 Ducats 金貨)と有るので1640年銘のドイツ5ダカット金貨という事が明瞭です。
その下行に”BAVARIA”と有るのでババリア(現ミュンヘン) DATE ABOVEの特記が有る上年号タイプの手替わり そしてMS-63の下に(17.3g)と重量の記載が有ります。
中世と近世のダカットコインにはこのようにコイン重量が記載されます(近代コイン以降〜現代コインには重量の記載は有りません)
そして赤い四角で囲んだ所にコインの鑑定グレードが記載されます!
 
左のコインの場合は「PF-63 」ですから観賞用の「*プルーフ型コイン」Proof Coin で「未使用鑑定品」で有る事が明瞭です。
中のコインの場合は「MS-63」ですから「流通型」の通常コインで左のコインと同じグレードの「未使用鑑定品」で有る事が明瞭です。
右のコインの場合は「MS-63」ですから「未使用鑑定品」で有る事が明瞭です。
 
ここでは近代コインの「プルーフ型コイン」と「流通型」それに1640年発行の近世5ダカットコインの共に「63」グレードコインを例示しました。
 
年代の違いによるコインの制作の特徴がよく解るサンプルです。
 
*「*プルーフ型コイン」Proof Coinは入念な作りの極印で複数回打刻を繰り返す事でコインの平面が鏡面状の輝き「プルーフを呈している鑑賞用コイン」の事。
上に掲げた3枚のダカット金貨で鑑定スラブにコインのカタログリファレンス(出典)を記載している例を解説します。
左のコインの場合は「FR-1229」と記載が有るのは金貨の標準カタログFriedberg (略称=FR)の#1229にリストされているコインで有る事を示している。
中のコインの場合は「FR-1885」と記載が有るのは金貨の標準カタログFriedberg (略称=FR)の#1885にリストされているコインで有る事を示している。
右のコインの場合は「KM-M2」と記載が有るのはKMカタログのKM番号M2にリストされているコインで有る事を示している。
 
なお、既にご理解の通り赤い→の後はコインの発行の年号で有り、その次には発行の国名、そしてコインの額面この場合は1Ducatで有るので単にDUCATとしている。
 
そしてその下の段には鑑定コインの個々の識別番号が10桁で表示されその下はバーコードが印刷されている。
 
なお、この鑑定スラブのようにコインの縁が観察出来るようにシリコンのサポーターが切り込まれているタイプを「エッジビューホルダー」タイプと呼びますが特別重量の有るコインや直径が40ミリ以上も有る大型コインには構造上用意が有りません。
 
 
<ここでの纏め>
 
◎コイン鑑定スラブに記載されている意味を良く理解する事がコインを理解する一番の近道です。
◎コイン鑑定スラブ用語は記載出来る紙面が限られているので多くの略称が用いられています。
 これを理解して下さい。
◎未使用コインで有れば「MS」と鑑定される一般流通型コインと「PF」と鑑定されるプルーフ型のコインが有ることを理解して下さい。従いMSやPF PRなどはコイングレードとは無関係でコインの種類だという事も理解して下さい。
 
今更だれにも聞けない「スラブ鑑定用語の解説」の1はここまです。
次回、今更だれにも聞けない「スラブ鑑定用語の解説」の2に続きます〜〜〜